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【フラッグシップ】最強の電子ドラムATV 「aDrum」を徹底解説!

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ATV

ATVは電子ドラムやソフトウェア音源、映像機器を扱っているメーカーで、ATVの創業者の梯 郁太郎(かけはし いくたろう)という方は電子オルガンなどを製造販売していたエース電子工業やRolandの設立者です。

創業者の梯さんは今の音楽業界に無くてはならない、MIDI規格を制定することに尽力し、2013年にはその功績を評価された結果、個人としての受賞は初となるテクニカル・グラミー・アワードを受賞した方です。

MIDI規格は電子ドラムには不可欠な規格で、電子ドラムを叩いた時のダイナミクスを表現するのにとても重要な役割をもっています。

今回はそんな電子ドラムの礎を築いたと言える方が立ち上げたメーカーATVの電子ドラムについて解説したいと思います。

ATVの電子ドラム

ATVの電子ドラムはエントリーモデルのEXSシリーズとフラッグシップモデルのaDrumsがあります。
それぞれの機種や価格はこのようになっています。

EXSシリーズ
EXS-1 MK2(約11万円~ 2020/06発売予定)
EXS-3(約18万円~)
EXS-5(約24万円~)

aDrums
aDrums artists Basic Set(約24万円~)
aDrums artist Standard Set(約37万円〜)
aDrums artist Expanded Set(約46万円〜)

EXSとaDrumの違い

音源モジュール

EXSシリーズ

まず音源モジュールの違いですが、EXSには基本的に全シリーズとも「xD3」という音源モジュールを搭載しています。
xD3はエントリーモデルに搭載しているということもあり、手軽に使える仕様になっています。

標準で使用できる音源は5種類のドラムキットで、ドラムキット毎の音源変更しかできないため、各パッド毎にサウンドを変更するような複雑な設定は出来ませんが、しっかりと調整されたプリセット設定を使用できるので、誰でもすぐに使える仕様になっています。

特筆すべき機能は、xD3の液晶画面にショットのタイミングや強弱が表示されることで、視覚的にもリズムを分析できるメトロノーム機能や、収録されたバッキング楽曲に合わせて練習できるソング機能、メトロノームやソングと合わせながら録音できるレコーディング機能があり、高音質なドラム音源で手軽に演奏やトレーニングができる特徴があります。

aDrum

aDrumには「aD5」という音源モジュールを搭載していますが、Basic SetにはStandard Setから音源モジュールを無くした内容になっています。

aD5には様々な機能がありますが、やはり最大の魅力は高音質かつ、リアルなサウンドではないでしょうか。
xD3にはないaD5だけの機能をざっくりと言ってしまうと、各パッドの音源の割り振りや感度設定などの詳細設定が可能になり、感度設定もプレイヤーに合わせて自動で出来る機能を使用することで、より生演奏に近い音で演奏できるようになっているという仕様です。

他にも他社の電子ドラムキット専用のセットアップ用のファイルをロードするだけで、簡単にaD5に合わせたパッドの設定を簡単にすることができる機能や、各パッドのマルチトラック録音ができて、MIDIデータだけでなく、オーディオとしてもレコーディングができる機能。

そして後から販売された音源を太鼓やシンバル1つごとに購入して追加していける機能など、拡張性が高い仕様になっています。

ちなみに最近では国産のハイクオリティドラムメーカー「CANOPUS」とコラボしており、CANOPUSの高品質のドラム音源が続々とリリースされています。

パッド

EXSシリーズ

EXSシリーズのパッドはサイズがそれぞれ異なっており

EXS-1 MK2 スネア10″ タム8″ バスドラム8″
         ハイハット14″ シンバル12″

EXS-3   スネア10″ タム10″ バスドラム10″
       ハイハット12″ シンバル12″&14″

EXS-5   スネア13″ タム10″&13″ バスドラム13″
         ハイハット14″ シンバル14″&16″

以上のラインナップです。

エントリーモデルのEXS-1は価格を抑えるためにセンサーの数が減ったり素材が変更されています。ですがエントリーモデルに求めるスペックとしては十分な音質をもつ音源モジュールが搭載されています。

ですがEXS-3からは各パッドにはマルチセンサーが搭載され、シンバルに至ってはaDrumとサイズだけが異なる物が搭載されています。

手軽に使用するという用途にはとても贅沢な仕様となっており、全体のサイズも折りたたんで片付けることが可能なため、小スペースでも使用できます。

ですが注意する点は各パッドのセッティング位置や可動域が限定的なため、特殊なセッティングには対応しづらいという点です。

この点に関してはピンポイントで使いづらさに直結する方もいるので、実際に店頭などで直接触れてみることをオススメします。

aDrum

aDrumの各パッドのサイズは

スネア 13×5.5
タム 10×6.5
バスドラム 18×12
ハイハット 14
クラッシュシンバル 16
ライドシンバル 18

のラインナップで、見た目はほぼアコースティックドラムと同じです。

従来の電子ドラムのパッドは、大抵が1つのセンサーで振動を感知しているのに対し、aDrumのスネアやタムのパッドは複数のセンサーで感知していて、シンバルも全方向で感知できる設計になっています。

1つのセンサーで感知する場合、ヒットするポイントを中心に感知するようにセンサーを設置しなければならず、どうしてもセンサー付近には大きく感知しやすいスポットができてしまう構造でした。
その為、センサーの感度の調整が難しく、ダイナミックレンジを狭めざるを得ない状況にあったようです。

ですがaDrumはセンサー位置を分散することで極端な感度を持つスポットを減らし、ダイナミックレンジを広げることを可能にしました。そして、複数のセンサーの調節を自動で行えるようにした結果、aDrumは従来より細かなダイナミクスを感知し、表現できるようになりました。

ハイハットのセンサーは特徴的で、ハイハットの開閉を接触することで感知するのではなく、光センサーを使って距離を感知する仕様になっているため、細かなハイハットワークにも対応できるようになっています。

この他にも、他社では販売されていなかったチャイナシンバルやスプラッシュシンバルの形をしたシンバルが販売されていて、見た目からアコースティックドラムを再現できるようになっています。

aDrumの魅力

今まで電子ドラムにはアコースティックドラムのように演奏しても電子ドラムが表現できるダイナミクスレンジ(叩いた力の強弱を”どこまで細かく、大きく感じ取れるか”という振り幅)が狭いという課題がありました。

その為アコースティックドラムのような自然な音が鳴らないということや、自身のダイナミクスを電子ドラムのダイナミクスレンジの範囲内で表現できるように、プレイヤーが電子ドラムに合わせた叩き方をするか、電子ドラムの設定をプレイヤーに合うように細かく調整する必要がありました。

プレイヤーによってコントロールできるダイナミクスは異なりますが、どこまで細かく壮大にコントロール出来ても、電子ドラムの限界を超える表現は不可能です。そのため強く叩いても思っているほど音が出なかったり、細かく叩いても感知してもらえなかったり、思っているより大きな音が出たりということがありました。

もちろん今までプレイヤーのダイナミクスに合わせてパッドの感度を調整することはできましたが、自身で微調整をしなければならないため、基準がいまいち分からずに設定途中で迷宮入りしてしまうことも多々あり、設定の難易度や電子ドラムとアコースティックドラムとのギャップに電子ドラムを手放してしまう人も多かったのではないでしょうか。

aDrumは指示通りに叩くだけでプレイヤーの叩き方や叩く強さを学習し、パッドを自動で最適化してくれる便利な機能を使うことによってこの問題は解決し、感度設定に対して深い知識を持っていなくても誰でもアコースティックドラムに近い体験ができる楽器です。

まだ電子ドラムを使ったことがない人でも扱いやすく、他社の電子ドラムを持っていても音源モジュールを簡単に切り替えられる機能も搭載しています。

手軽にリアルなドラムを楽しみたい方や、持っている電子ドラムに限界を感じている方は一度触れてみてはいかがでしょうか?